チップ

Category: diary
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7/14

ガンであることがわかる。

7/19

選挙のために実家に帰る。
よだれを垂らしているがそれ以外は元気そうな様子。

8/2

夏休みで再び実家へ帰る。
半月の間に病状は悪くなり右の顎が変形し、常に舌を出すようになっていた。

8/8

理由はわからないが、隙があれば常に前足の毛繕いをするようになった。


食欲はなくなり、次第に痩せていった。
よだれには血が混じるようになり、水を飲むと水が赤く染まっていた。
時間が経つにつれ痛々しい姿になり、あまり写真を撮らなくなる。


8/30

前日は出血が酷く、夜には血を吐いていた。
朝になると謎の塊が口に垂れ下がっており病院へつれて行った。
唇の肉が壊死したのかと心配していたが、単に血の固まったものだった。

9/1

病院で止血剤の注射をしてもらい出血はおさまり、餌も食べるようになった。
これでこのまま回復すると思っていた。

9/3

急激に衰弱していき、歩くのもおぼつかなくなっていった。
鳴き声も掠れ、ほとんど聞こえない。

9/8

呼吸はあるものの声をかけても反応はなく、ひたすら遠くを見つめている。
時々立ち上がり歩こうとするが、よろけ、すぐに倒れてしまう。

9/9朝

最後に撮影した写真

9/9昼

今日は家族は全員いないため、昼は自分が世話をすることになった。
猫アレルギーの自分が世話をするために母親がビニール手袋を用意していた。
しかし、一日中リビングの入り口で横たわっていてすることはなかったので、ビニール手袋をつけて撫でてあげた。おそらく10年ぶり。
10年前に撫でていた時の記憶と比べると骨が浮き出てゴツゴツとしていた。みーちゃんを思い出す。
もちろん反応はない。

9/9夕方

晩ご飯を作り終えチップが横たわっているすぐ側のソファーに座っていると、突然何かに驚いたように首を伸ばし周りを見渡しこっちを見つめてきた。
またすぐに横になった。何があったのかはわからない。

9/9夜

家族も帰宅し見守っていると、突然、苦しそうな声を出し、目は見開き、尻尾の毛は逆立ち、痙攣のような動きをし始めた。
次にひゃっくりのような呼吸をし始めた。

見ているのがあまりにも辛かったので、その場を離れ二階へ行った。
しばらくすると一階から少しゆっくりとした足音が聞こえてきて、全てを悟った。

9/10(今日)

朝に遺体を埋葬した。
翌日から大学が始まるので昼に下宿先に戻った。

家族全員で看取ることができる最後の日に旅立ったのは実にチップらしいと思う。